吃音のある人が会話をするとき、ついつい早口になり、「もう少し落ち着いて話しなさい」と他人に言われることがあります。
早口を治せば、吃音は治るのでしょうか?
この記事では、早口と吃音の関係について述べていきます。
もくじ
早口だからどもるのか?
吃音がある人の中にも、もともと早口の人もいれば、吃音が出始めてから早口になる人もいます。吃音は人によって状態が違うので、一概には言えません。
改善例としては、早口を治すことによって、吃音の症状が軽減される人も中にはいます。練習をする際には、これまでの習慣を変えていくことになるため、根気が必要です。
※どもりの改善は個人によって異なります。吃音は、心理的な側面も含めて様々な要素が関係しているため、話し方を変えるアプローチを行っても改善しない人はたくさんいます。
吃音があるから早口になる人もいる
吃音があるために、早口になる人の中には、「早く話してしまわないといけない」というタイムプレッシャーを感じている人がいます。また、「吃音ができるだけ出ないように話そう。どもらないうちに話を早く終わらそう。」とするあまり、いつの間にか早口の習慣がつく人もいます。
楽に話すためには、他人に合わせずに、自分が話しやすいと感じる「自分のペース」で話せることが大切です。
早口ことばは有効なのか?
早口ことばで吃音が良くなるかというと、基本的には逆効果です。吃音は滑舌の問題ではないため、早く話そうとすると焦りや勢いが増し圧迫感を感じ、どもりやすくなります。吃音を克服するためには、早口でスラスラ話す必要はないということす。
クラタリングについて
言葉が不明瞭になり、早く話してしまう症状にクラタリングと呼ばれるものがあります。クラタリングは、吃音と併発することがあることが知られています。
クラタリングの人の発話速度は、常に速いわけではなく、突発的で衝動的な様子が見られます。聞き手からすると、クラタリングの人の発音は明確でなかったり、なめらかに話せていなかったりします。
クラタリングの人の中には、注意散漫・多動・学習困難の問題を抱えている人もいます。クラタリングの治療については、専門的に行っているところも少なく、吃音と同じくまだ分かっていないことも多いのです。
まとめ
吃音が起きることによって早口になることがあります。しかし、早口を治したからといって、すべての人が吃音が治るわけではありません。吃音とは話し方の問題だけではないからです。
また、クラタリングと吃音が合わせて起きている場合もあります。ゆっくり話すことで吃音が軽減する人もいますが、すべての人が同じ効果を得るわけではありません。