コラム

月9ドラマ「ラブソング」の吃音について

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月9ドラマ「ラブソング」の吃音について



先日、福山雅治さん主演の月9のドラマ「ラヴソング」が終わりました。
ヒロイン役の「さくら」は吃音を抱える女の子です。

この記事をご覧になられている方の中にもドラマを観られた方も多いのではないでしょうか?


吃音をテーマにした作品といえば、これまでは英国王のスピーチが有名な作品でした。

今回は月9のドラマで吃音がテーマになっていたのが画期的に思えました。

世間への吃音の認知度が少しでも広がればと思っていましたが、
ドラマの放映の時だけ少し知られるだけでは・・というのも正直なところ否めません。



ドラマの話に戻りますが、主人公のさくらは生い立ちも複雑な環境で育っており、苦労をして生き抜いている姿が描かれていました。

そんな中、福山雅治さん演じる臨床心理士の神代先生に出会い、また、神代先生が元ミュージシャンであったことから、さくらも音楽に目覚めていきます。

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ストーリーとしては、吃音があることによる生きづらさや音楽を通じて自信を取り戻していく姿がよく描かれているドラマでした。



吃音に関しては、

・好きな食べ物が注文できないこと

・言いたい言葉を言い換えなければ言えないこと

・他人から誤解されてしまうこと

・誤解されたままの自分に対する複雑な気持ち

などなど、吃音を抱える当事者が直面する問題が描かれていました。



ドラマの中では改善への取り組みはあまり大きくは見られませんでしたが、症状の改善だけでなく吃音を受け入れながら楽に生活できることを選ぶなど現実にもいろんな選択肢があると思います。
大事なことは当事者がいかに楽に生活ができるかということですね。



また、ドラマを見ていて感じたのは、こういった形で吃音を知られたくない当事者の方や、ドラマを見て意識してしまい症状が増えてしまったという方もいるのではないかというところです。

実際にそういった声も聞きました。



当たり前のことですが吃音との付き合い方や向き合い方については、デリケートな問題であるがゆえに個人に合わせて考えていかなければいけないところですね。


地道な啓蒙と共に現実に直面する一人に対する支援、周りへの対応が必要です。

  • この記事を書いた人

畦地 泰夫

東京吃音改善研究所代表。公認心理師。国際流暢性学会(IFA)会員。日本吃音流暢性障害学会会員。日本コミュニケーション障害学会会員。1人ひとりに合わせた吃音改善を掲げ東京吃音改善研究所を設立。吃音症、社交不安障害のカウンセリング実績は1万回以上。

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