もくじ
受講後4年が経過された方に、フォローアップセッションを行いました
4年半前に東京吃音改善研究所の吃音改善セッションを受講されていた野呂さん(仮名)。
今回は、その後の経過についてLINEでのフォローアップをさせていただきました。
※東京吃音改善研究所では、定期的にフォローアップを行っています。
許可をいただいていますので、フォローアップでお話した内容をお伝えしていきます。プライバシー保護のため、個人的な内容については伏せています。
※写真はイメージです。(以下、同)
野呂さん(仮名) 40代 男性 会社員
セッションを受講される前(4年半前)の様子
以前は、吃音を良くするために、半年くらい吃音治療を探していました。
野呂さんに吃音の症状が出始めたのは、大人になってからです。30代になってから症状が出始めました。
お仕事で支障をきたすようになり、東京吃音改善研究所でのセッションを受講されました。
野呂さんと行った取り組み
野呂さんの吃音症状は比較的軽度でしたが、お仕事に関わるため問題としては深刻でした。言葉が言えなくなるために、言うべき言葉に対して忘れたふりをすることもありました。
主に、名前を言う時やスピーチをする時などの場面で困っていらっしゃいました。
受講期間 | 初回の吃音重症度 | 行なった取り組み |
6ヶ月間 | 軽度 | 言語トレーニング、認知行動療法 |
言語トレーニングとは・・・
吃音のための言語トレーニングの代表的なものに流暢性形成法という方法があります。流暢性形成法は、吃音が出にくくなるように滑らかに話せるように訓練する発声のトレーニングのことをいいます。
認知行動療法とは・・・
認知行動療法とは、一つのやり方を指すのではなく、問題解決のための様々な技法を集めたものです。
認知行動療法の各技法を使って、悩みに対して楽な考え方を身につけたり、苦手な行動ができるようになるために様々な技法を用いて取り組んでいきます。
終了後4年経過した今の現状について
たまに、決まった場面があるわけではないけど、少し緊張した時にちょっと症状が出ること位はあります。
そんな時でもワンテンポ置くと、言えるというのが自分の中でできるようになっています。以前なら絶対に言葉が出なかったと思います。
以前は電話が喋れないというのがありましたが、そういうのは今は大丈夫です。
どもりが減って、お客さんとの話が楽しくなりました。
以前はそんなことは全く思ったことはなかったです。
セッションを振り返って
絶対長引くと思っていました。
今は仕事中は全く吃音を忘れているくらいなので。
以前はどもることがしょっちゅうあったんですけど、意識もせず普通に話せています。
回復過程は人それぞれ異なります
ここで確認ですが、吃音の改善は人それぞれ取り組み方も異なるため、全ての人が野呂さんと同じ方法で同じような過程で改善されるわけではありません。
吃音の改善を進めるには「○○の方法で吃音は治る」というマニュアルではなく、個人の状態に合わせて適切な技法を選択する必要があります。
どのような取り組みを進めるにしても、吃音が改善されていくと同時に吃音への恐れが減り、吃音のことを考えなくなっていくことで生活は楽になります。
吃音が改善されてから
以前は、ゴルフで優勝するとスピーチがあるので、優勝しそうな時にもミスをして優勝をやめていました(笑)
あと、(仕事関係の)講演会が苦痛でした。
講演会があることが決まると1週間くらい前からお腹が痛くなっていましたが、今は全然それもないです。
さすがにもともと話をするのは得意ではないので、多少は緊張しますが、始まると話ている自分が楽しいと感じています。
生活がラクですね。
以前は宿泊をする際には、ホテルに近づいていくと、「絶対今日も宿泊の時の名前が言えない」と思っていました。
今は全くホテルに行っても、症状がないから。
本当に今思うと、何より名前が言えなかったんですよね。
フォローアップを終えて
今日は久しぶりにお話ができて良かったです。
今日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
最後に
今回の野呂さんへのフォローアップでは、受講後4年経っても吃音の改善は維持されて生活が楽になられていたことを確認しました。
表面的な対処法で一時的に吃音が少なくなったり、対処できている状態では改善されたとは言えません。取り組みを終えてからも年単位で改善が持続されてこそ吃音が改善したと言えます。