学習やコミュニケーションをする上で、支障をきたすことがある学習障害は、発達障害に含まれます。また、学習障害を含む発達障害を持つ子の中には、チックや吃音の症状を持つ子もいます。
この記事では、学習障害と吃音の関係について、親御さんが理解しやすいように説明していきます。
もくじ
LD(学習障害)とは
※LD(学習障害)という名称が一般的に知られていますが、現在アメリカ精神医学会が出しているDSMという診断マニュアルでは、SLD(限局性学習障害)と変更されました。
LD(性学習障害)とは、どのようなものなのでしょうか?
本来、私たちは生活を営む上で、見たり聞いたりすることにより、外から情報を得ます。そして、得た情報を、自分の頭の中にある記憶と照らし合わせて、判断を行います。こうした情報を処理して、私たちは、話したり行動したりします。
学習障害は、ある種の情報処理はできても、その他の情報処理はなかなかできないという特徴が見られます。この症状は、脳のシステムが壊れているのではなく、脳の働き方にクセがあるのです。
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特徴
学習障害には、以下のような特徴が1つ、または2つ以上見られます。
・文字をスラスラ読めない
楽に話せたとしても、音読などをするときには、スラスラと読むことができません。文字が読めないところを、想像を使ってカバーすることもあります。
・文字を書くのが苦手
文字の形や大小を判別することが苦手で、左右逆(鏡に写した文字のように)に書いてしまうこともあります。学校では、黒板のどこを見れば良いのかがわからなかったり、書くときに目と手を連動させるのが難しかったりします。
・計算や推測することが苦手
数字の概念が理解できないことがあるため、簡単な暗算ができないことがあります。地図の見方がわからなかったり、図形がわからなかったりすることがあります。
・聞くことが苦手
聞いているようで、聞いていないことがあります。静かに話を聞くことが苦手であることもあります。また、話の流れが読めなかったり、聞き間違いが多かったり、聞いて理解することが苦手です。
・話すことが苦手
思いつくままに脈略のない話をしたり、相手が迷惑そうな表情をしても話すことを止めなかったりします。相手からの言葉に対して、冗談が通じなかったり、あいまいな言葉が理解できなかったりします。
・手先が不器用
手先が不器用なため、細かい作業ができないことがあります。運動が苦手であったり、音楽を聴いても手拍子が取れないこともあります。複数の動きを上手にコントロールすることが苦手です。
学習障害と吃音の関係
学習障害を持つ子の吃音の発症率について、いくつかの研究が行われています。
研究によれば、学習障害を持つ子の吃音発症率は7~24%、読む障害を持つ子は、吃音発症率6~14%、言語機能の障害を持つ子は吃音発症率10~20%というデータが出ています。
「特別支援教育における吃音・流暢性障害のある子どもの理解と支援」より引用
これらのデータは、学習障害がない子(発症率5%)に比べて、学習障害がある子の方が吃音の発症率が高いということを示しています。
吃音の改善に向けて
まず、学習障害の状態を把握する必要があります。本人にとって、何が苦手なのか、苦手な程度がどれくらいかなどを知ることは、支援の計画に役に立ちます。
専門医療機関で行う検査で、診断基準に基づいた「障害の傾向」を知ることができます。
吃音については、学習障害の状態・吃音の状態を正しく把握した上で、取り組みを進めていくのが良いです。改善目標を具体的にし、支援を受けながら進めていくことが望ましいです。
まとめ
学習障害とは、脳の働き方のクセにより起きています。読み書き、話を聞くことや推測することなどが苦手です。障害の状態に合わせて、改善計画を立てて、専門家と一緒に取り組んでいくのが良いです。