言葉が詰まってしまったりして、スラスラと話せない症状が起きると、その症状を「言語障害」と考える人が多くいます。そもそも言語障害とは、どういうものなのでしょうか?
この記事では「言葉がつまるのは吃音なのか?または何かの言語障害なのか?」との疑問に対して解説していきます。
この記事を読むことで、言語障害と吃音の関係を理解できるようになります。
もくじ
言語障害とは
言語障害と呼ばれるものには、「聞こえの障害」「話し言葉の障害」「言語知識の障害」があります。
「聞こえの障害」とは、難聴のように聞こえることが困難になる聴覚の障害です。
「話し言葉の障害」とは、声が出なくなったり、きれいな発音ができなくなったりする話すことが困難になる障害です。吃音はこの障害に当たります。
「言語知識の障害」とは、言葉を聞き取れても意味が理解できなくなったり、言おうとすることを言葉で表現できなったり、言葉を思うようにあやつるのが困難になる障害です。
吃音とは
吃音は、話そうとしている言葉が連続してしまったり、つまって出てこなかったりします。喉の異常ではなく、話す言葉に対して発話がスムーズに進まない状態が起こります。
場面や状況によって言葉がつっかえたり、苦手な言葉が言えなかったり、ずっと話せないわけではありません。スラスラ話せたりすることもあり状況や言葉に左右されることがあります。
吃音には、子供の頃から10代始めに発症する発達性吃音と、脳の損傷などによる神経原生吃音、ストレスなどからなる心因性吃音があります。
詳しくは、こちらの記事で説明していますので、こちらをお読みください。
吃音(どもり)の症状と種類をきちんと解説
話し言葉の障害について
以下、吃音以外の様々な話し言葉の障害について説明をしていきます。
構音障害
発音することを専門的な言い方で「構音」といいます。構音がうまくできなくなる構音障害は大きく分けて3つあります。器質性・運動障害性・機能性です。
器質性構音障害
発声や発語をする部分の形態や機能の異常により起こるのが「器質性構音障害」です。口蓋裂によるもの(唇や上あごがきちんとくっついていない状態を口蓋裂といいます。)や舌を広範囲に切除した場合に起こります。
運動性構音障害
構音に関係する筋や神経が障害される「運動性構音障害」は、脳血管障害やパーキンソン病などによって引き起こされます。ここでは細かく触れませんが、たくさんの種類があります。
機能性構音障害
「機能的構音障害」は、発生発語器官の異常がなく、発達の遅れがないにも関わらず、誤った音の出し方を学習してしまっている状態です。就学前の子供によく見られます。
音声障害
声は喉のあたりにある声帯と呼ばれる場所で発せられます。肺から出た空気が声帯を振動させることによって声は出ます。音声障害は声がうまく出せない障害で、器質性・神経学的・機能性に分類されます。
器質性音声障害
声帯のトラブルが原因でうまく声が出せなくなる障害です。加齢により声帯が萎縮したり、タコができたり声帯そのものにトラブルが起きて声がうまく出せなくなるのです。
神経学的音声障害
これは、神経のトラブルにより声帯がうまく運動できなくなる障害です。脳血管障害によるものや声帯運動をするための神経障害によって起こるものなどがあります。吃音によく似ているけいれん性発声障害は、ここに分類されます。
けいれん性発声障害は、声の途切れや詰まりが特徴的で、歌を歌うときにも詰まったりします。
機能性音声障害
声の出し方が原因で、声が出にくくなる障害です。心理的なストレスが原因で起こる場合もあります。
まとめ
言語障害は、「聞こえの障害」「話し言葉の障害」「言語知識の障害」があり、うまく発声できなくなるのは「話し言葉の障害」です。「話し言葉の障害」には、吃音も含まれますが、その他にも構音障害や音声障害があります。
吃音の特徴が知りたい方は、「吃音(どもり)の症状と種類をきちんと解説」の記事で解説していますので、こちらをお読みください。
言葉が詰まるからといって、必ずしも吃音ではありません。他の症状の場合もあるため、専門家の診断を受けることが大切です。