吃音で悩まされるのが嫌になると、どもりを克服したいと多くの人が考えます。
吃音は、どうすれば克服できるのでしょうか?吃音の克服とは、どういう状態なのでしょか?
この記事では、吃音の克服についてお伝えしていきます。
もくじ
吃音の克服とは
吃音の克服とは、どういう状態を指すのでしょうか?克服といっても、以下のように状態は異なります。
・どもりが完全に治った(なくなった)状態
・どもって困る場面において、吃音がコントロールできる状態
・ほとんどどもらないが、多少どもったとしても気にならない状態
・どんな状況でも、基本的にスラスラと話せる状態
・不安なく生活できている状態
これらの状態は、似ているようで違います。
そのため、最初にあなたは吃音をどの程度に克服したいのかを明確にしていくと良いです。希望している状態を明確にし、それを達成するのに可能な方法を選択していくのです。
吃音を克服するには
吃音を克服するには、自分の吃音に合わせて、改善を進める必要があります。
その理由は、一口に吃音といっても、話すとき全般にどもる人もいれば、特定の場面が苦手な人など違いがあるからです。また、吃音の頻度や症状、深刻度も人によって違います。
他にも、不安が生じる度合いや、吃音の他に問題がないかなど、改善に取り組む際には、自分の吃音を知ることから始めましょう。専門家に診て検査してもらったり、自分で把握したりしながら、自分の吃音の傾向を知ってください。
克服する方法とは
吃音を改善させるための技法はたくさん存在しますが、「この方法で吃音が克服できる」という全ての人に当てはまる方法は今のところありません。
吃音治療の現状としては、これまでの吃音研究者達の一つ一つの成果が基になり、多様なアプローチで行われています。繰り返しますが、その中で、あなたの傾向に合った方法を選択することが大事です。
専門家の支援を受けて吃音を克服する方法は、言語療法・心理療法、また、それらを応用したものがあります。言語療法には、流暢性形成法、吃音緩和法、統合的アプローチなどがあります。心理的なアプローチには、認知行動療法、年表形式のメンタルリハーサル法などがあります。
一人で吃音の克服に挑戦するなら
支援を受けずに一人で行う場合にも、自分の吃音を知り、それに対処できるようになることが大事です。
例えば、どもりをコントロールすることを目指すなら、自分の吃音をコントロールできる具体的なテクニックを身につけなければいけません。但し、当然ですが、テクニックを使った方法は、人によって合うこともあれば、合わないこともあります。
また、発声法など、何らかの方法で吃音が楽になったとしても、それが一時的な効果で終わる場合には、克服とはいえません。良い状態が年単位で続き、その後も維持できることが大事です。
古典的なセラピーでは、一時的な改善のみが見られ、その後に再度吃音に悩まされる状態に戻っていった人もたくさんいます。一時的な方法は理にかなっていないため、単に注意の転換が起きていただけということです。
一人で吃音の克服に挑戦する場合、言葉の症状だけではなく、どもったときに何を考えているのか、どもるときにどんな行動をしているかなど、「自分がどんなパターンで吃音と関わっているのか」を見つめていくことから始めていきましょう。
克服体験について
吃音を克服していくプロセスは多様です。例えば、言語療法で良くなる人の場合、楽な話し方を身につけて、それを日常の様々な場面で再現できるようになります。どもりをある程度、テクニックでコントロールすることができるということです。
そうすると、「自分は吃音をコントロールできる。どもらずに話せるんだ。」という自信がついてきます。
また、認知(物事の考え方、受け取り方)が変わることで良くなっていく人は、緊張しやすい状態を生み出す「認知」が変わり、吃音が起きやすい状態が減っていくことがあります。もちろん、テクニックなどを使うこともあります。
心理的なアプローチにより、不安が減っていくことで変わる人は、取り組みを通して吃音への否定的な考え方が少しづつなくなっていきます。その結果、吃音が起きにくくなったり、どもっても気にしなくなったりすることがあります。そして、次第に症状も消失していく傾向に向かいます。
上記のように、方略は様々あります。いずれにしても効果が出れば、話す不安が減ったり、吃音のコントロールができるようになることで、会話中に吃音以外の側面に注意を向けれるようになります。
まとめ
吃音の克服は、自分がどうなりたいのか克服の段階を明確にし、取り組んでいきましょう。自分の吃音の傾向を知り、治療法を選択していくことです。当然ですが、克服できる方法は多様であり、一つではありません。