「左利きを矯正したら吃音になる」「ドングリを食べると吃音になる」など、吃音にまつわるこのような話は本当なのでしょうか?この記事では、吃音にまつわる話の真偽について解説していきます。
もくじ
左利きを矯正すると吃音になるのか?
結論から言うと、左利きを矯正すると吃音になるということはありません。これは、 吃音研究者トラヴィスが1931年に発表した大脳半球優位説から派生した「利き手矯正説」から来ています。
当時、吃音があり左利きを右利きに矯正された人を、再び左利きに戻したところ、吃音が回復したことがあったそうです。
これは、たまたま起きた現象だったわけですが、このことをきっかけに、「吃音にならないために、利き手矯正を止めましょう」というのがアメリカで広がりました。それでも、吃音になる人の数は減らなかったため、この説は否定されました。
ドングリを食べると吃音になるのか?
吃音とドングリの話は、迷信です。この説は、どこから来たのかは不明です。
関係あるかどうかはわかりませんが、ほとんどのドングリの成分にはアクの主成分タンニンが多く含まれています。食べると渋柿の数倍の渋みがあるそうです。
この渋みがあることが話の出処と関係しているのか、ドングリをむやみに食べさせないように教訓として伝えられた話なのか、いずれにしても不明です。
どもりは真似すると、うつるのか?
真似をしたり他の人の吃音を聞くことで、吃音になるのかについて、アメリカ吃音協会創設者であるマルコム・フレーザー氏は、「真似をするとうつるという説は神話であり、真似をしても吃音は起きない」と述べています。
吃音の原因は未だ確実に特定されておらず、主に体質などが関連し様々な要因が関係しています。真似をするとうつることはありません。
吃音の人でイケメンはいるのか?
人間の容姿の美しさは、吃音のある人、無い人に関わらず同じです。吃音の有無でイケメンだとか、美人だとか、そのようなことを特定する根拠はありません。
その他の迷信
今では全く信じられない話ですが、古代ギリシャでは、吃音は慢性の下痢から発症すると考えられていたことがあったそうです。また、舌の上に小石を乗せて吃音を改善するという方法が用いられたとも伝えられています。
医学が進歩するにつれ、長い時間をかけて吃音に関連する現象が明らかになってきました。基本的には、不確かな情報に振り回されずに、根拠の確かな情報だけを参考にするべきです。今後、研究が進むにつれ、わかることももっと増えていくことでしょう。
まとめ
吃音には、未だに昔から伝えられている誤った考え方があります。話の内容にきちんとした根拠があるかどうかを基準に考えていくことが大事です。