先日、国立障害者リハビリテーションセンターで行われたアナウンサー小倉智昭さんの市民公開講座・特別公演に参加してきました。
タイトルは「夢を持つな、目標を持て!どもるからアナウンサーになった」です。
小倉さんは吃音があることで知られていますが、テレビでは一切どもらずに話しているので不思議に思われている方もいるのではないかと思います。
しかし、ご本人がはっきりおっしゃっていました。
「私、どもり治ってないです」と。
打ち合わせの時や普段はどもっているそうです。
今回の講演会では、子どもの頃のお話、アナウンサーになられるまでの経緯、その後のお仕事でのエピソードなどをお話しされていました。
秋田県出身の小倉さんは、幼少期より吃音があり、小学校時代から周囲のからかいも受けていて、毎年七夕には「どもらないように」と願いを書いていたそうです。
ある時、お父さんに「夢なんて叶わないじゃないか」と話したところ、
お父さんは「夢は持つな、目標を持て」とおっしゃったそうです。
そんな小倉少年は家で毎日けなげに朗読の練習をしていました。
ある時、思い切って学校でも朗読をやってみようと手を上げて行ったところ、なんと、うまく音読ができたのです。
それを見ていた担任の先生は意図して小倉さんを児童劇団に連れて行ったのですが、このことがきっかけで自信がついたそうです。
その後も日常では吃音は続いていたのですが、志を抱きアナウンサーを目指していくようになります。
そして、年月を経て見事お仕事を勝ち取られます。
アナウンサーとして最初の頃は失敗もされたとのことですが、「プロとして一時たりとも気をゆるめていない」ともおっしゃていました。
普段はどもることに関して、「どもったっていいじゃないですか!」と堂々と会場の皆さんに言われていました。
また、「自分にとってどもりは勲章。ここまで来れたのは自分がどもりだったから」と逆境をバネにしてこられた経験を語っておられました。
「他に得意な分野を見つけてください」
「どもったって仕事もできるし、結婚もできますから」
との励ましと共に、
「どもっていないときの感覚を覚えておくこと。そういうのを積み兼ねていくこと」
「どうやったらどもらないかは今でもいつも考えている」
との優しいアドバイスもなさっていました。
個人的には、この場に参加した感想として、小倉さんのお姿を通して力強く生きることの大切さを改めて感じました。
吃音があってもご活躍されるお姿に多くの人が希望を持たれたのではないでしょうか。
現実的には、小倉さんのようにいかない人もたくさんいらっしゃるかもしれません。
でも、こうして希望を示してくださったことが本当に素晴らしいと思います。
私たちも一人一人の人生の中で自分らしく自分にしかできない何らかの姿を示していきたいものです。
余談ですが、特ダネを見るたびに親近感が湧いています ^ ^