パーキンソン病と吃音は、関係あるのでしょうか?パーキンソン病とはどのような病気なのでしょうか?この記事では、パーキンソン病と吃音の関係について、わかりやすくお伝えしていきます。
もくじ
パーキンソン病とは
パーキンソン病は、ドパミン(脳内で情報を伝える神経伝達物質)が不足することで起こる病気です。人は、ドパミンが不足すると、体への運動指令がうまくできなくなるため、スムーズに動けなくなります。
パーキンソンという病名については、イギリスで医師をしていたジェームスパーキンソンという人が、この病のことを論文で発表したことから、「パーキンソン病」と呼ばれるようになりました。
発症
パーキンソン病の発症について、様々な調査・研究が行われています。まだ明らかなことはわかっていませんが、発病に関する見方として、遺伝的要因・加齢の影響が考えられています。また、現在では、ミトコンドリア障害(ミトコンドリアは、主にエネルギーを作り出す細胞内の小さな器官です)が考えられるとも言われています。
遺伝的要因
これまでパーキンソン病発症に関連する遺伝子が10個以上見つかっています。他の要因と複雑絡み合って起こると考えられており、遺伝だけで起こることは少ないようです。
加齢
パーキンソン病は、50~70歳代で多く発症します。今後、高齢化が進むことにより、患者数が増えることが推定されています。
パーキンソン病の4大症状
症状は、以下の4つの症状が主なものになります。
振戦
「ふるえ」のことです
筋固縮
筋肉が固くなることです
無動・寡動
「のろのろの動き」になることです
姿勢反射障害
体が傾いたときに、バランスをとることができないという症状です
症状には、重症度の分類があり、運動機能の程度により、重症度が決まります。
吃音との関係
パーキンソン病で起きる可能性のある症状は、運動症状と非運動症に分かれます。
運動症状とは、動きの鈍さや嚥下(食べ物の飲み込み)・構音(言葉を作り出すこと)の障害を含む運動障害がもたらす障害のことです。
非運動症状とは、睡眠障害、うつや物忘れなどの認知機能障害・精神症状を含む不快症状のことです。
上記のような様々な症状の一つとして、パーキンソン病により、吃音が発症することもあります。
また、過去の研究によると、パーキンソン病の治療に使われる薬により、吃音を引き起こす可能性があるとの報告がありました。このケースにおいては、投薬量の調整、薬の変更により吃音症が減少、または消失しています。
まとめ
パーキンソン病は、ドパミンが不足することで起きる病気です。発症すると、体の運動がスムーズにできなくなります。その症状の一つとして、吃音が引き起こされることがあります。