2019年5月、クロアチアで行われた吃音臨床シンポジウムに参加しました。
クロアチアは、東ヨーロッパの国で、イタリアの対岸に位置しています。宮崎駿監督の映画「紅の豚」の舞台となったアドリア海に面しています。
ドブロヴニクの資料館には、宮崎駿監督の写真がありました。
今回は、ヨーロッパ各地、アメリカ・カナダ、オーストラリアなど世界各国から臨床家が集い、成人吃音、思春期の吃音、幼少期の吃音など日によってテーマが異なりました。
さすがにヨーロッパの遠い国だけに、アジア人は私一人だけでしたが、様々な国の臨床家の先生方と吃音臨床について有意義に話すことができました。
イタリアのダリオ先生、偶然にも帰りのホテルで一緒になり、お互い驚きました。 ^ ^
小児吃音、思春期の吃音、成人吃音と年代ごと分かれ、現在の臨床データをもとに午前中はプレゼンテーションが行われ、午後は各グループでディスカッションが行われました。
吃音緩和法や認知行動療法など、技法をもとに各国の事情やそれぞれの臨床家の意見をまとめ、午後の後半には会場で質疑応答が盛んに行われました。
2日目には食事会にも参加させていただき、イタリアの先生方のテーブルに座り、お話をしました。
今回、このシンポジウムで話し合った内容ですが、例えば、周囲の無理解から来る吃音当事者へのからかいや、当事者が持つ吃音の否定感に対してどう取り組むかなど、やはり他の文化圏でも吃音当事者の困りごとは似ています。
しかし、当たり前ですが、他の国の取り組みは、そのまま日本で活かせるものばかりではありません。もっと言うと、同じ国だとしても、個人を取り巻く環境に対して、取り組んでいく必要があります。
設立当初からのテーマでもありますが「一人一人に合わせた吃音の改善」を支援するため、学びをもとにさらに今まで以上に、日本の文化の中で、日々研鑽を重ねていく次第です。