吃音のある有名人には、どんな人がいるのでしょうか?この記事では日本の有名人、海外の有名人など、吃音のある有名人をご紹介していきます。
もくじ
国内の吃音がある有名人
日本には歴史上の人物から芸能人まで、吃音を持つ人はたくさんいます。以下、有名人をご紹介します。
徳川家光(徳川三代将軍)
江戸幕府の第三代将軍。幼少期に吃音があったと言われています。参勤交代を制度化したり、幕府の支配体制を固めたことで知られています。
白洲次郎(実業家)
戦後、当時の吉田茂首相の側近として活躍。東北電力の会長を務めるなど、実業家としても活躍しました。終戦後の連合軍と渡り合うほど大きな仕事をしていましたが、吃音がありました。
孫である白州信哉氏が、「白洲次郎は、英語の方が話しやすいと言っていた」エピソードを明かしています。
田中角栄(元首相)
幼少期から吃音症があった田中角栄氏は、浪花節という浪曲を練習することで吃音を克服しました。「日本列島改造論」を発表し、行動力、リーダーシップを大いに発揮。
全国の新幹線、高速道路、飛行場の建設などを進め、国民所得の底上げを目指しました。
3代目三遊亭圓歌(落語家)
子供の頃から吃音があり、克服しようと思い落語家を志します。自身の落語には、吃音がある人が登場人物として出くるものもあります。
弟子入りした師匠(2代目三遊亭圓歌)も吃音がありましたが、知らずに偶然入門したのだそうです。
丹波哲郎(俳優)
昭和を代表する日本の名優。映画出演数300本以上、テレビドラマでも大きな人気を博しました。戦時中には、吃音があるために学徒動員を免れたとのことです。
木の実ナナ(女優)
ミュージカル、ドラマ、映画など女優、歌手として活躍。「あぶない刑事」「渡る世間に鬼ばかり」など、出演多数。演技の撮影のときに、言葉が出ないため苦労されたこともあるようです。
うつ病にかかり、克服した経験も持っています。
小倉智昭(アナウンサー)
子供の頃から吃音症に悩んでいたそうです。話すことにコンプレックスを持ちながらも、あえて吃音のコンプレックスを克服するためにアナウンサーを志しました。
朝の情報番組「とくダネ」の司会を始め、アナウンサー、パーソナリティーとして多数活躍されています。現在も私生活などでは吃音が出るときもあり、打ち合わせの時にはどもりながら話しているそうです。
こおろぎさとみ(声優)
「クレヨンしんちゃん」「少年アシベ」その他多数の作品に出演する売れっ子の声優。幼い頃から吃音があり名前も言えなかったそうですが、「姉のピアノ伴奏で歌えたことで自信がついた」と言っています。
細田守(アニメ監督)
「時をかける少女」「おおかみこどもの雨と雪」など多数の作品を手がける日本を代表するアニメ監督。子供の頃から吃音があります。自身のツイッターでは、
「英国王のスピーチ」観ました。子供のころ吃音者だった者としては(今もまあまあそうですが)、まるで自分がカウンセリングを受けている気分でした。自らのキツい状況に友を得て立ち向かう物語にはとても勇気付けられます。
とつぶやかれていました。
海外の吃音のある有名人
モーセ
旧約聖書などに記されている古代イスラエルの指導者。出エジプト記にある「私は口が重く、舌が重いのです。」という文は、モーセが吃音であったことを示していると言われています。
ジョージ6世
イギリスの元国王。英国史上、最も内気な国王と言われています。映画「英国王のスピーチ」は、ジョージ6世が吃音に悩み葛藤する姿が見事に描かれています。
参照記事:英国王のスピーチと吃音症をテーマにしたその他の映画
ウィンストンチャーチル(イギリスの元首相)
長い間、吃音に悩まされていたことで有名です。その他にも、学生時代には学業も振るわず、政治家になっても、うつ病に悩まされるなど、様々な逆境を乗り越えました。
チャーチルは後に、「イギリスが生み出した最も偉大な政治家」と言われ、世界のCEOが選んだ尊敬するリーダーでは1位に選ばれました。
スキャットマン・ジョン(歌手)
子供の頃から吃音に悩み、克服できずに音楽に出会います。吃音のストレスを酒やドラッグでごまかした時期もあったことが知られています。
スキャットマンジョンの歌は、世界的にヒットし数々の賞を受賞。吃音の団体にも参加。貢献したことを称えられ賞が贈られています。
エド・シーラン(イギリスのミュージシャン)
グラミー賞など数々の賞を受賞している世界的なシンガーソングライター。シーランは、2015年にニューヨークで行われたアメリカ吃音学会に出席した際、「言いたい言葉が言えないことが辛かった」と語りました。
若い時から音楽が好きだったシーランは、ラッパーのエミネムが好きで、「ラップを練習することが吃音を克服するのに役立った」と言っています。
エミリー・ブラント(イギリスの女優)
子供の頃から吃音に悩んでいた彼女は、12歳のときに先生の勧めで演技を始めました。その後、女優になり「プラダを着た悪魔」など様々な作品に出演。ゴールデングローブ賞を受賞しています。
ノエル・ギャラガー(イギリスのミュージシャン)
世界的に大ヒットしたバンド・オアシスの元ギタリスト兼ボーカリスト。子供時代から吃音症を抱え、何年にも及ぶスピーチセラピーを受け、吃音を克服しました。
ニコール・キッドマン(オーストラリアの女優)
「ムーランルージュ」「めぐりあう時間たち」など出演数多数。ゴールデングローブ賞を始め、数々の賞を受賞。子供の頃から吃音に悩まされてきた彼女は「一人でパーティーに行くのは好きじゃない」と言っています。
しかし、彼女は「恐怖が私の人生を支配することはない」と吃音を恐れない姿勢を示し、吃音を持つ人々を勇気づけています。
ブルース・ウィルス(アメリカの俳優)
「ダイハード」「シックスセンス」をはじめ、世界的大ヒットとなった映画に多数出演。エミー賞やゴールデングローブ賞など数々の上を受賞したハリウッド俳優。
吃音に悩みセラピーを受けていましたが、高校時代に演劇部に所属し演技をした時どもらずに演じることができたといいます。
ジョージ・スプリンガー(大リーガー)
アストロズで活躍。幼少期から吃音があり、いじめられたこともあったそうです。野球の練習の合間に、スピーチセラピーを受けていました。吃音に悩む人に対し「自分の姿を見て自信をもってほしい」とのメッセージを送っています。
タイガー・ウッズ(プロゴルファー)
生後9ヶ月からゴルフを始め、史上最年少賞金王、メジャー大会連続優勝記録など輝かしい戦歴を持っています。子供の頃から吃音があることで知られており、2009年のCBSテレビでも自身の吃音のことを語っています。
2015年、ゴルフダイジェストを通じて知り得た吃音に悩む子供に対し、「忍耐強く頑張っていくように」と励ましの手紙を送っています。
他にも、ハメス・ロドリゲス(コロンビアのサッカー選手)B.B.キング(ミュージシャン)、チャーリー・シーン(俳優)、マリリン・モンロー(女優),エルビス・プレスリー(歌手)、ジョセフ・バイデン(アメリカ元副大統領)など、たくさんの有名人が吃音症で知られています。
吃音があっても活躍しているということ
ここに挙げた人も含め、すべての有名人が吃音を克服したわけではなく、吃音と上手に付き合いながら自分の分野で活躍をしています。
吃音を克服しないと、社会で活躍できないというわけではありません。むしろ、吃音をバネにしながら努力を重ねていき、各分野でご活躍されているのではないでしょうか?
有名人の活躍を参考にしながら、私たちも自分の道で自分の魅力を開花させていきたいものです。
まとめ
吃音症を持つ有名人は、日本にも海外にもたくさんいます。吃音を克服した人もいますが、克服はせずとも各分野で大きくご活躍をされています。