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腹式呼吸が吃音に与える2つのメリット

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腹式呼吸についてお話しします。

はじめに、腹式呼吸の話をするかというと、これまで東京吃音改善研究所に来られた方や私が吃音改善・支援のボランティアをしていた時にお会いした方の多くに、呼吸が浅い方が多く、腹式呼吸のやり方をレクチャーしているからです。

ただし、すべての方に当てはまるわけではありませんので、その点はご理解ください。

そもそも実際お会いしていない方に対して改善のご提案をすること自体がこちらの理念とは異なりますが、比較的多い特性であることから少しでもお役に立てばとの思いで書かせていただいています。

まず、腹式呼吸とは文字通りお腹を使ってする呼吸です。
実際には横隔膜の運動によって行われるですが、「お腹で息を吸って吐く」と捉えた方がわかりやすいと思います。

記事のテーマにあるように、腹式呼吸が吃音に与えるメリットは二つあります。

一つ目は、首周りや肩・胸のリラックス。
お腹の方に意識を向けることにより首周りや肩、胸などのリラックスした状態を保ちやすいです。

吃音が出る際に声帯がブロックするのを含め、喉の付近に過緊張を感じる方も少なくないのではないでしょうか?
その状態が継続すると、吃音スパイラル(吃音の軌道)に入ったままになりやすいですから、首周りや肩・胸にリラックスした状態を作っていくことは大切だと言えるでしょう。

 

【理解していただきたいこと】

呼吸が浅いから吃音が出るという考え方は間違いです。吃音が出ることにより呼吸が苦しくなるのです。

吃音のある人の中には、呼吸で吃音をコントロールしようとする人がいますが、呼吸は本来自然に行うものです。

吃音症状が出ると、声帯(声を発声する器官)が閉じたりして、楽な息ができなくなります。この時に、「息を押し出せば、もっと声は出るはず」という誤った考え方をしがちですが、声帯のブロックさえなければ、呼吸は自然にできるのです。


メリット二つ目は、副交感神経を優位にしてためです。
腹式呼吸を行うと、副交感神経が優位になりリラックスモードになります。

セッションの際に受講者さんに伝えていますが、自然体(心身共にナチュラルな状態)でいることで吃音コントロールがしやすくなります。
逆に浅い呼吸(胸を主体に行う胸式呼吸)をしていくことにより、交感神経が優位となり戦うモードになるのです。
よって、落ち着かず焦ったりしやすいです。


以上の2点から見て腹式呼吸が苦手な人は、腹式呼吸を行っても損はないと思います。
身体にも良いです!

普段から呼吸が浅い方は、ぜひこの機会にやってみましょう。

  • この記事を書いた人

畦地 泰夫

東京吃音改善研究所代表。公認心理師。国際流暢性学会(IFA)会員。日本吃音流暢性障害学会会員。日本コミュニケーション障害学会会員。1人ひとりに合わせた吃音改善を掲げ東京吃音改善研究所を設立。吃音症、社交不安障害のカウンセリング実績は1万回以上。

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