吃音と一口に言ってもその発語状態や取り巻く環境は様々です。難発・連発といった吃音の違いはもちろん、例えば、歌声や元々の話し方に個性があるように、どもり方にも違いがあるのです。
これまで東京吃音改善研究所に来られた方の中で、発声の面から多く見られる傾向が「呼吸の浅さ」です。呼吸が浅が浅くなるというのは、吃音が出る際の身体の反応でもあります。
吃音がある無いに関わらず発声時の呼気は生理学的に肺活量に比例するのですが、肺活量がたくさんあって無駄に息を使っていてもあまり意味がありません。ですから技術的に今ある量の呼吸を工夫して使っていく事により、呼気をうまく使えます。
その代表的なものが腹式呼吸です。胸式呼吸ではなく腹式呼吸の方がより深く呼吸が行えるので、心身を落ち着けるためには良いことです。
※腹式呼吸だけで吃音が治まることを意味しているわけではありません。呼吸が浅いから吃音が出るのではないのです。
吃音が出ることにより呼吸が浅くなったりすることが多く、本来、吃音が軽くなっていけば呼吸は自然に楽にできるものです。
呼吸のチェック
では、あなたの呼吸を見てみましょう。
呼吸をチェックする方法をお伝えします。
1、それでは、まず椅子に座ってください。
2、左の手のひらを胸に、右の手のひらをヘソの辺りに当ててください。
(左右が逆でも構いません)
3、何も考えずに楽に息を吸ってみましょう。
このとき、特に胸が広がるようにふくらんだ方は胸式呼吸です。
お腹がゆったりとふくらんだ方は腹式呼吸になっています。
お腹も少し、胸も少しという方は、よりお腹で吸えるようになっていきたいですね。
腹式呼吸のやり方などをコラム内でご紹介をしていますのでご覧になって下さい。
※心身を落ち着けるための助けとなるものですが、すべての方に当てはまるわけではありません。
また吃音以外の面でも呼吸というのは日常生活を営む上で欠かせないものであり、非常に大切なものです。
一日に何度も行っている呼吸をより良いものにすることで、身体にも良い影響を及ぼすことは明らかですね。
何気なく行っている呼吸を整えるということを少し気にしてみて下さい。