面接

面接での吃音のためにできることを考えたい

面接といえば高校や大学の入試、就活など人生の岐路に立つ場面も多いです。面接を成功させたいがために、「どもったらどうしよう」と悩む人も少なくありません。この記事では、面接での吃音対策について述べていきます。

面接でどもることが不安な時にできること


この記事をご覧になられている方はこれから入試、就活などを控えていらっしゃる方も多いことと思います。面接で「名前が言えない」「グループ討議でどもるのが怖い」との具体的な場面がある方もいらっしゃるでしょう。
面接への不安を和らげ、良い結果をもたらすために、いくつかの角度から対策を講じていく必要があります。

配慮を求める


まず、最初にやるべきことは、それぞれの場面で面接する側の配慮を求めることができるかどうかを知ることです。学校の面接、就活の面接、公務員試験などでは、吃音を持つ方に対する配慮を行っているところもあります。特に個人面接などでは、面接する側も、話しやすい雰囲気を心がけているのです。
吃音とは、あなたの能力の問題ではありません。どんなに優秀な人でも、吃音には悩まされているのです。「吃音は自分の能力や努力の問題ではない」ということを改めて自覚してください。
すべての面接において吃音のことを配慮してくれるとは限りません。その場合には、状況に応じて対処する必要があります。

カミングアウトする

面接の際に、「私には吃音があります」と最初にカミングアウトすることも対策の一つです。面接の種類にもよりますが、吃音があることが合否に直結していないならば、先に話すべきです。「どもると印象が悪いのではないか」と、あなたが思っているほど、吃音が面接の合否は関連していないことも多いのです。
また、もし履歴書に吃音のことを書くような場合には、「吃音があるにも関わらず、頑張ってきました」という具合に、吃音を抱えてきた経験を強みとして書いていきましょう。

練習をする


練習は、できるだけリアルな場面を設定し、他人に協力してもらうことが良いです。そして、具体的なフィードバックをたくさん受け、少しづつ面接そのものが楽になっていくことが大切です。
一人で練習することも良いですが、その場合は録画をするなどして自分を何度も客観視しながら行ってください。自分の考えにとらわれるのではなく、面接官の視点を知ることが重要です。
どもらないことを練習するのではなく、面接の本質を捉えていくことを目的に練習をするのです。どもらないことばかりを考えてしまうと、練習が逆効果になることがあるので気をつけて下さい。

話のポイントを掘り下げて、何が言いたいのかを確認する

自分が話すことに迷いがあれば、そのことで戸惑ってしまい、どもりやすくなります。自分が言いたいことの核となる部分をしっかりと確認しましょう。表面の言葉ばかりに意識を向けるのではなく、話の本質にしっかりと焦点を合わせてください。

「うまくやろう」と思わないよう、見積もりは低く、具体的に設定する


「上手に話さなければいけない」「どもってはいけない」という目標設定をすると、余計に緊張が高まり結果としてどもりやすくなります。「緊張して当たり前だ。緊張しながら話そう」「最低限、遅刻しないようにしよう」など、見積もりは常に低く具体的に設定することです。

吃音の改善に取り組む

吃音そのものを改善しようと取り組んだ場合、やはり時間が必要です。目標にもよりますが、良い状態を構築するためには、改善までの必要な過程を辿らなければなりません。取り組むための時間も少しあり、改善するための良い機会だと思うなら、吃音の改善に取り組まれるのも良いでしょう。
就活に取り組まれている方は、関連記事として以下の記事もご参照ください。
記事:<吃音を抱えて、みんなどうやって仕事をしているのか?
記事:吃音がある人はどうやって就職活動をすれば良いのか?

まとめ

面接での吃音に悩む場合、配慮をしてくれることがあります。また、「上手く話すこと」にこだわらず、自分が目標とする姿のハードルを下げ、吃音以外の他の大事なことに意識を向けていきましょう。吃音だけにとらわれずに、やるべきことをやり、面接に臨むべきです。
吃音の症状や度合いは人それぞれ違います。すべての人が同じような対策ができるわけではありません。他人の成功論に惑わされず、自分なりの対策を立てていくことが大事です。

  • この記事を書いた人

畦地 泰夫

東京吃音改善研究所代表。公認心理師。国際流暢性学会(IFA)会員。日本吃音流暢性障害学会会員。日本コミュニケーション障害学会会員。1人ひとりに合わせた吃音改善を掲げ東京吃音改善研究所を設立。吃音症、社交不安障害のカウンセリング実績は1万回以上。

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