メンタル・発達障害・その他の疾患

吃音は精神疾患として精神科に行けば良いのか?

吃音は精神的なものなのでしょうか? 心療内科や精神科に行けば良いのでしょうか?
この記事では、吃音と精神疾患との関係についてわかりやすく述べていきます。

言葉がつまることと精神疾患の関係

まず、言葉がつまることは必ずしも吃音ではありません。そのことをご理解いただき、記事を読み進めてください。言葉がつまるのには様々な要因があり、症状も様々です。そのことについては、こちらの記事で解説していますので、併せてお読み下さい。
記事:言葉がつっかえる、第一声が出てこないのは吃音症かもしれません

吃音は精神疾患なのか?


吃音症には、子供の頃からの発達性吃音(発症要因は体質が70%)、発達性吃音より遅い時期になる獲得性吃音があります。獲得性吃音には、脳の障害などから起きる神経原生吃音、ストレスなどにより起きる心因性吃音があり、吃音症のほとんどは、幼少期からの発達性吃音が占めています。
また、吃音を心身症の症状として挙げる医師もいます。この記事をご覧の方の中には、言葉がどもる症状を見て、精神的に不安定だから起きるのではないかという見方をされる方もいらっしゃるかもしれません。
その場合、先に吃音があって、不安になっているのか、または、先に精神的な問題があって言葉がつまっているのかによっても変わってきます。

社交不安障害(SAD)


吃音症がある場合、社交不安障害が併せて起きることがあります。吃音がある人は、吃音のない人に比べて、社交不安障害が発症する確率が高いことが知られています。
吃音症を隠したり回避したりすることを続けることにより、社交不安が強まっていきます。社交不安障害についてはこちらの記事でも解説していますので、ご一読ください。
記事:吃音のある人の多くが抱える社交不安とは?

心因性吃音について

主に10代の後半から発症する心因性吃音は、ストレスなどにより起こります。幼少期からの吃音や脳の損傷などが原因でない場合には、心因性吃音の可能性も考えられます。
心因性吃音は、ストレスが長く続いたり、トラウマのような出来事を経験した時がきっかけで起きる吃音です。発達性吃音の症状と共通するところが多くあります。
心因性吃音については、こちらの記事をお読み下さい。
記事:大人になってからどもり始める心因性吃音とは?

どこで診てもらえばいいのか?


吃音をどこで見てもらえば良いかについては、症状に応じて考えていきましょう。言語聴覚士のいる病院、臨床心理士のカウンセリング、吃音を専門に診ている機関などです。
ただし、せっかく受診しても、気休めの言語訓練や、カウンセリングなどで済まされることもよくあります。自分の望んでいる治療が受けられるのか、「本当に良くなるかどうか」が大事です。
あなたの吃音をきちんと把握してくれるところに行きましょう。
また、言葉がつまるといっても吃音症ではない場合もあります。まずは、その症状がどういうのもなのかを医師の診断を受けていくことが大切です。吃音に詳しくない医師もいますので、その場合は、自分が納得できるところに行くことをお勧めします。

まとめ

吃音症のほとんどは、幼少期からの発達性吃音です。必ずしも精神的な疾患が関連しているとは言えませんが、社交不安を伴うことがあります。
心因性吃音は、ストレスなどが関連しています。症状に応じて、受診する機関を選ぶことが大切です。

  • この記事を書いた人

畦地 泰夫

東京吃音改善研究所代表。公認心理師。国際流暢性学会(IFA)会員。日本吃音流暢性障害学会会員。日本コミュニケーション障害学会会員。1人ひとりに合わせた吃音改善を掲げ東京吃音改善研究所を設立。吃音症、社交不安障害のカウンセリング実績は1万回以上。

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