予期不安について
「苦手な言葉を瞬時に判別し、どもるかもしれない不安な状態になること」
これを予期不安といいます。
どんな時に起こるのか?
具体的な例を挙げて説明します。
例えば吃音のある会社員の方が会社のイベントなどで司会を任されてしまったとします。
そこで参加者の名前を読み上げなければいけなくなりました。
仮に「か行」が苦手だとして、参加者名簿を見ると「 加藤」「北島 」と、か行が並んでる。
「これ言えないな…。多分どもるだろう…。 」と思って不安になる。
これが予期不安です。
どもる前に予期して不安になるのです。
また、
他人と会話している中で、地名などの言い換えができない言葉を話す際に「どもるかもしれない」と瞬時に予測した際等にも起こります。
以前にどもってしまった苦手な言葉を言わなくてはいけない時や、今日はなんだか調子が悪くどもりやすいという時は予期不安が起こりやすいでしょう。
難発ブロックが出る方は常に予期不安がつきまとうわけです。
予期不安を無くすには
これについて東京吃音改善研究所の対策としては成功体験を増やすことをお勧めしています。
「どもらずに言えた 」という成功体験を増やすこと。
ある状況で「 どもるかもしれない 」と思っても、それに対して実際に言えてしまったという体験を繰り返すことで、
「前回言えたから今回も言えるかもしれない 」という変化が出てくるのです。
どもると思っている言葉が言えた際には、ある種の違和感を感じられる方もいらっしゃいます。
心が不安なまま成功しているからです。
この不安は成功を重ねることで薄れていきますが。
人によって変わってきますが、まずは発語コントロールなどの対策を講じて進めていくのが良いと思われます。